この記事の結論

会社を設立すると、登記して終わりではない。税務署・自治体・年金事務所など、各所への届出が一気に来る。中には期限のあるものもあり、漏らすと損をしたり、慌てたりする。設立後に付与される「法人番号」を使い、設立届、青色申告の申請、社会保険の手続きなどを、漏れなく済ませる。設立後の「届出ラッシュ」を、全体像を持って乗り切る。

この記事は、Lv.4(法人期)の一人社長に向けて書いています。

設立は、ゴールではなくスタート

会社設立というと、登記が完了すれば、一段落、と思いがちだ。確かに、登記で会社は法的に成立する。だが、そこからが、実は本番だ。設立後には、各所への届出が、一気に押し寄せる

税務署、都道府県、市町村、年金事務所。それぞれに、提出すべき書類があり、中には期限のあるものもある。設立の達成感で気を抜くと、これらの届出を漏らし、後で慌てることになる。会社設立は、ゴールではなく、届出ラッシュというスタートだ。全体像を持って、漏れなく対応したい。

「法人番号」が付与される

設立登記が完了すると、会社に法人番号が付与される。これは、個人のマイナンバーの、法人版のようなものだ。13桁の番号で、国が法人を識別するために使う。

法人番号は、各種の届出や手続きで使う。通知が届く(または公表される)ので、確認しておく。法人番号は、公表されており、取引先の確認などにも使われる。会社の「身分証番号」のようなものとして、各種届出の際に必要になる。設立後、まず付与される、会社の基本情報だ。

税務署への届出

設立後の届出で、中心になるのが、税務署への届出だ。主なものを挙げる。

  • 法人設立届出書:会社を設立したことを知らせる
  • 青色申告の承認申請書:青色申告(税制上の優遇)を受けるための申請。期限に注意
  • 給与支払事務所等の開設届出書:役員報酬や給与を払う場合
  • 源泉所得税関係の届出

特に、青色申告の承認申請には、期限がある。これを逃すと、その事業年度は青色申告ができず、優遇を受けられない。個人事業のときの青色申告と同じく、法人でも、設立後早めに申請する。税務署への届出は、期限のあるものから、優先して済ませる。

都道府県・市町村への届出

税務署(国)への届出とは別に、都道府県と市町村(地方)にも、法人設立の届出が必要だ。

法人住民税や法人事業税といった地方税に関わるため、それぞれの自治体に、設立を届け出る。国と地方、両方への届出が要る点を、忘れないこと。税務署にだけ届け出て、自治体への届出を漏らす、というミスが起こりやすい。会社の所在地の都道府県・市町村に、それぞれ届け出る。

年金事務所への社会保険手続き

そして、年金事務所への、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続き。法人は、社長一人でも、社会保険への加入義務がある。

設立後、速やかに、健康保険・厚生年金の新規適用と、被保険者(社長自身など)の資格取得の手続きをする。これも、設立後の必須の届出だ。社会保険の加入手続きは、忘れやすいが、義務であり、遅れると遡って加入を求められることもある。

期限のあるものを、漏らさない

設立後の届出で、最も注意すべきは、期限のあるものだ。

青色申告の承認申請、社会保険の手続きなど、期限が定められているものがある。これらを漏らすと、優遇を受けられなかったり、後で遡って対応したりと、不利益や手間が生じる。設立後の届出を、一覧にして、期限のあるものから優先的に処理する。会社設立を司法書士や税理士に依頼した場合、これらの届出もサポートしてもらえることが多いので、何を自分でやり、何を任せるかを確認する。漏れのないよう、全体像を持って進める。

法人期の一人社長へ

会社設立は、登記で終わりではない。その後に、税務署・自治体・年金事務所への届出が、一気に押し寄せる。設立後に付与される法人番号を使い、これらを漏れなく済ませる必要がある。

法人番号の付与を確認し、税務署への届出(設立届・青色申告等)、都道府県・市町村への届出、年金事務所への社会保険手続きを確認する。そして、期限のあるものを、漏らさない。設立後の届出ラッシュは、煩雑だが、避けては通れない。全体像を持ち、期限のあるものから優先して、漏れなく対応する。この最初の手続きをきちんと済ませることが、法人としての、健全なスタートを切る土台になる。