この記事の結論
インボイス登録をするかどうか判断し、「する」と決めたら、次は手続きだ。流れは「①税務署に登録申請 → ②登録番号の通知を確認 → ③請求書をインボイスの要件に対応させる → ④消費税の申告・納税の準備」。登録すると、課税事業者として消費税を納める義務が生じる点も、押さえておく。判断と手続きは別物。決めたら、順番に進める。
この記事は、Lv.3(安定期)の一人社長に向けて書いています。
「判断」の次は「手続き」
インボイス制度については、別記事で「登録するかどうかの判断」を解説した。取引先が課税事業者中心なら登録、消費者中心なら登録しない選択もある、という判断だ。
この記事は、その先——「登録すると決めた後の、手続き」を扱う。判断と手続きは、別の話だ。登録すると決めたら、何をすればいいか。流れを知っていれば、迷わず進められる。順番に見ていこう。
① 税務署に「登録申請」する
インボイス(適格請求書)を発行するには、適格請求書発行事業者の登録申請を、税務署にする必要がある。
申請方法は、主に2つ。
- e-Tax(電子申請):オンラインで申請。比較的早く登録される
- 郵送:申請書をインボイス登録センターに郵送
e-Taxのほうが、手続きが早く進むことが多い。申請書に必要事項を記入し、提出する。なお、免税事業者(これまで消費税を納めていなかった事業者)が登録する場合の扱いには、経過措置などのルールがあるため、自分のケースを確認しておく。
② 「登録番号」の通知を確認
登録申請が受理されると、登録番号(「T」で始まる番号)が通知される。
この登録番号は、インボイス(適格請求書)に記載する、重要な番号だ。通知された番号を、控えておく。登録番号は公表され、取引先が「この事業者は登録済みか」を確認できるようにもなっている。番号が通知されて、初めて、正式にインボイスを発行できる事業者になる。申請から通知まで、一定の期間がかかるので、余裕を持って申請する。
③ 請求書を「インボイスの要件」に対応させる
登録番号を得たら、請求書を、インボイスの要件を満たす形に対応させる。インボイスには、記載すべき項目が決まっている。
- 登録番号
- 適用税率(10%、8%など)
- 税率ごとに区分した消費税額
これらを、請求書に正しく記載する必要がある。多くの請求書ツール・会計ソフトは、インボイスに対応しているので、設定で登録番号などを入れれば、要件を満たした請求書を発行できる。手作りの請求書を使っている場合は、これらの項目を加える。請求書が要件を満たしていないと、取引先がインボイスとして使えないので、対応を確認する。
④ 「消費税の申告・納税」の準備
インボイス登録をして課税事業者になると、消費税の申告・納税の義務が生じる。これは、登録の重要な帰結だ。
これまで免税事業者だった場合、登録によって、消費税を納めることになる。だから、
- 消費税の計算方法(本則課税か簡易課税か)を決める
- 簡易課税を使うなら、その届出をする(期限に注意)
- 売上にかかる消費税を、納税分として意識しておく
消費税は、預かったものを納める税金だ。納税の時期に慌てないよう、その分を意識して、資金を確保しておく。登録は、インボイスを発行できるようになると同時に、消費税の納税義務を背負うことでもある。両面を理解しておく。
安定期の一人社長へ
インボイス登録は、「するかどうかの判断」と「登録の手続き」が、別の話だ。判断して「する」と決めたら、手続きは、順番に進めれば終わる。
税務署に登録申請し、登録番号の通知を確認し、請求書をインボイスの要件に対応させ、消費税の申告・納税の準備をする。この流れを、上から潰していく。登録すると、消費税を納める義務が生じる点も、忘れずに押さえる。判断は消費税・インボイス対応で、手続きはこの記事で。決めたら迷わず、順番に進める。それが、安定期の一人社長の、インボイスへの向き合い方だ。