この記事の結論
事業を始めるとき、誰に相談するかで、進む方向が大きく変わる。相手を間違えると、不安を煽られたり、間違った方向に進んだりする。相談すべきは、実際にやった経験者。避けたいのは、利害のある相手、反対するだけの人、不安を煽る人だ。そして、誰に相談しても、最終判断は自分でする。最初の相談相手選びが、最初の一歩を左右する。
この記事は、Lv.1(準備期)の一人社長に向けて書いています。
「誰に相談するか」で、答えが変わる
事業を始めようとするとき、不安で、誰かに相談したくなる。これは自然なことだ。だが、ここで重要なのが、「誰に相談するか」だ。
同じ「独立しようと思う」という相談でも、相談する相手によって、返ってくる答えはまるで違う。実際に独立した人は具体的なアドバイスをくれ、会社員一筋の人は「やめておけ」と言い、何かを売りたい人は「今すぐこれを」と勧める。誰に聞くかで、得られる答えも、進む方向も変わる。だから、最初の相談相手を、見極める必要がある。これは、人を見極めることの、最初の応用だ。
相談すべきは「経験者・実践者」
最初に相談すべき相手は、実際にそれをやった経験者・実践者だ。
独立を考えるなら、実際に独立した人。副業を始めるなら、副業をやっている人。彼らは、理論ではなく、実際にやった結果を知っている。何が大変で、何が思ったより簡単で、どこでつまずくか。リアルな体験に基づくアドバイスは、本やネットの一般論より、はるかに役立つ。
ただし、経験者の話も、その人の状況での経験だと理解する(→ 成功者の話の聞き方)。一人の経験を鵜呑みにせず、複数の経験者に聞ければ、なお良い。実際にやった人の、リアルな声を、まず求める。
「利害のある相手」の助言は割り引く
相談相手として、注意したいのが、あなたの相談に対して、利害がある相手だ。
たとえば、保険を売りたい人に「独立の備えは?」と聞けば、保険を勧められる。税理士に「法人化すべき?」と聞けば、顧問契約につながる提案が返ってくるかもしれない。これらは、嘘ではないが、相手の利害の方向に傾いている。
利害のある相手に相談するなら、その助言を、利害の分だけ割り引いて聞く。これは、専門家のポジショントークを見抜くことと、同じだ。相手が、その助言で何を得るかを意識する。利害のない、純粋にあなたのためを思って話せる相手の助言が、最も信頼できる。
避けるべき「反対するだけの人」
相談相手として避けたいのが、理由なく反対するだけの人だ。
新しい挑戦を伝えると、「やめておけ」「うまくいくわけない」「リスクが高い」と、反対だけする人がいる。彼らに悪意はなくても、その反対は、たいてい、その人自身の不安や、挑戦への抵抗から来ている。具体的な根拠もなく、ただ反対する助言は、あなたを前に進ませない。
もちろん、的確なリスク指摘は、ありがたい。だが、根拠のない「やめておけ」は、聞く必要がない。反対意見は、その理由が具体的で建設的かを見る。ただ不安を映しているだけの反対は、距離を置く。
「不安を煽る人」も避ける
反対の逆で、不安を煽って、何かに誘導する人も避ける。
「このままだとまずい」「今やらないと手遅れ」と不安を掻き立て、その不安を解消する手段として、自分の商品やサービスを勧める。これは、営業トークの典型だ。相談したつもりが、不安を植え付けられ、何かを買わされる。
相談して、安心や具体的な知恵ではなく、不安だけが残るなら、その相手は、相談相手として適切ではない。良い相談相手は、不安を煽らず、現実的な見通しと、前に進む助けをくれる。
最終判断は「自分でする」
誰に相談するにせよ、最も大事な原則がある。最終判断は、自分ですることだ。
経験者の話も、専門家の助言も、参考にする。だが、それをそのまま採用するのではなく、自分の状況に当てはめて、自分で決める。相談は、判断材料を増やすためであって、判断を人に委ねるためではない。「あの人がこう言ったから」ではなく、「いろいろ聞いた上で、自分はこうする」。最後は、自分の判断基準で決める。相談相手を選ぶ目と、自分で決める力。その両方が要る。
準備期の一人社長へ
事業を始めるとき、誰に相談するかで、進む方向が変わる。相手を間違えると、不安を煽られたり、間違った方向に進んだりする。最初の相談相手を、見極めたい。
実際にやった経験者・実践者に相談し、利害のある相手の助言は割り引く。理由なく反対するだけの人、不安を煽る人は避ける。そして、誰に相談しても、最終判断は自分でする。最初の一歩で、誰に相談するかは、その後を大きく左右する。良い相談相手を選び、その声を参考にしつつ、自分で決める。それが、準備期の一人社長が、踊らされずに前に進む、最初の見極めだ。