この記事の結論
独立すると、税務・保険・行政の届出が、一気に押し寄せる。一つでも漏らすと、後で困る。鍵は、やるべき届出を一覧(チェックリスト)にして、漏れなく確認すること。税務署(開業届・青色申告)、市区町村(国保・年金)、必要なら許認可。期限のあるものから優先し、控えを保管する。独立直後の届出ラッシュを、チェックリストで乗り切る。
この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。
独立直後の「届出ラッシュ」
会社を辞めて独立すると、これまで会社がやってくれていた手続きを、すべて自分でやることになる。税務署への届出、健康保険・年金の切替、場合によっては許認可。これらが、独立直後に、一気に来る。
しかも、それぞれ、窓口も期限もバラバラだ。何を、どこに、いつまでに出すのか。把握していないと、一つ二つ、漏らしてしまう。そして、漏らした届出は、後で「やっていなかった」と発覚し、慌てたり、損をしたりする。独立直後の届出は、全体像を持って、漏れなく処理したい。そのために、チェックリストにして、一気に確認する。
税務署への届出
まず、税務署への届出。独立して個人事業を始めるなら、ここが中心になる。
- 開業届:事業を始めたことを届け出る。原則、開業から1ヶ月以内
- 青色申告承認申請書:青色申告(最大65万円控除など)を受けるための申請。原則、開業から2ヶ月以内(期限に注意)
特に、青色申告の承認申請は、期限を逃すと、その年は青色申告ができない。開業届と一緒に、セットで出すのが確実だ。税務署への届出は、節税に直結するので、漏らさない。詳しくは、開業届の出し方も参照してほしい。
市区町村への届出(保険・年金)
会社を辞めると、健康保険と年金を、自分で切り替える必要がある。窓口は、お住まいの市区町村だ。
- 国民健康保険への加入(または前職の健康保険の任意継続)
- 国民年金への切替(厚生年金から第1号被保険者へ)
これらは、原則、退職から14日以内に手続きする。健康保険は、国保と任意継続のどちらが安いかを比較するのがよい。配偶者を扶養に入れていた場合は、その手続きも忘れない。これらは、国保・年金の切替の記事で、詳しく解説している。
業種によっては「許認可」
事業の内容によっては、開業届とは別に、許認可が必要なことがある。飲食、中古品の売買、人材紹介など。
自分の事業が、許認可の必要な業種かを確認する。許認可が必要なのに、無届けで営業すると、違法になる。許可型は取得に時間がかかるので、早めに確認・申請する。詳しくは、業種別の許認可確認の記事を参照してほしい。多くの一人社長は不要だが、念のため確認しておく。
「期限のあるもの」を優先
届出には、期限のあるものと、ないものがある。漏れを防ぐには、期限のあるものから優先して処理する。
- 青色申告の承認申請(開業から2ヶ月以内)
- 国保・年金の切替(退職から14日以内)
これらは、期限を過ぎると、不利益が生じる。独立直後のバタバタの中でも、期限のある届出を、まず片付ける。期限のない届出は、その後でいい。チェックリストに、期限も併記しておくと、優先順位が分かりやすい。
「控え」を保管し、記録する
届出を済ませたら、控えを保管し、提出済みを記録する。
受付印のある控えや、電子申請の受信通知は、後で「届出をした証明」として必要になる場面がある(屋号口座の開設、融資の申し込みなど)。なくさないように保管する。そして、チェックリストに「提出済み」とチェックを入れていく。何を出して、何がまだかが、一目で分かる。これで、漏れを確実に防げる。
チェックリストの例
独立直後に確認したい届出を、一覧にすると、こうなる(自分の状況に応じて調整する)。
- [ ] 開業届(税務署)
- [ ] 青色申告承認申請書(税務署)※期限注意
- [ ] 国民健康保険の加入 or 任意継続(市区町村/健保組合)※期限注意
- [ ] 国民年金への切替(市区町村)※期限注意
- [ ] 配偶者・家族の保険・年金の手続き
- [ ] 業種に応じた許認可の確認
これを、独立のタイミングで、一気に確認・処理する。
独立期の一人社長へ
独立すると、税務・保険・行政の届出が、一気に押し寄せる。窓口も期限もバラバラで、把握していないと、漏らしてしまう。だから、やるべき届出を一覧にして、漏れなく確認する。
税務署(開業届・青色申告)、市区町村(国保・年金)、必要なら許認可。期限のあるものから優先し、控えを保管して、提出済みを記録する。届出は、一つひとつは難しくないが、数が多く、漏らしやすい。チェックリストにして一気に処理すれば、独立直後の届出ラッシュも、確実に乗り切れる。最初にきちんと片付けておくことが、その後の事業を、安心して進める土台になる。