この記事の結論
横のつながりには、2種類ある。同業のつながりは仕事を回し、異業種のつながりは視野を広げる。両方を持つことが、一人社長の世界を支える。鍵は、数を追わず「ゆるく長く」を重視し、まず与える姿勢で関わること。売り込みの場にせず、無理に広げず、合う人と続ける。緩く広いネットワークが、孤独な一人社長に、仕事と刺激の両方をもたらす。
この記事は、Lv.3(安定期)の一人社長に向けて書いています。
「横のつながり」が、世界を支える
一人社長は、一人で仕事をする。だからこそ、外との横のつながりが、世界を支える。会社にいれば自然にあった、同僚や他部署とのつながりが、独立するとなくなる。それを、自分で作っていく必要がある。
横のつながりには、大きく2種類ある。同業のつながりと、異業種のつながりだ。この2つは、もたらすものが違う。両方を持つことで、一人社長の世界は、仕事の面でも、視野の面でも、豊かになる。安定期は、この緩く広いネットワークを、意識して育てたい。
「同業」のつながり:仕事を回す
同業のつながりは、主に「仕事」をもたらす。
同じ仕事をする仲間は、互いに仕事を融通し合える。手が回らない案件を回す、専門外の仕事を紹介する。この紹介経済が、仕事の安定をもたらす。また、同業だからこそ分かる悩みを共有でき、情報交換もできる。
同業を、仕事を奪い合うライバルと見るのではなく、互いに支え合う仲間と捉える。同業のつながりは、営業しなくても仕事が回る、心強い基盤になる。
「異業種」のつながり:視野を広げる
一方、異業種のつながりは、「視野」をもたらす。
自分とは違う業界の人と関わると、自分の業界の常識が、当たり前ではないと気づく。別の分野のやり方、考え方、課題の解決法。これらが、自分の事業に、新しい発想をもたらす。同業ばかりでつながっていると、視野が狭くなりがちだ。異業種のつながりは、その風通しをよくする。
また、異業種だからこそ、思わぬ仕事の縁が生まれることもある。「そういう人を探していた」と、異業種の相手から声がかかる。視野を広げ、新しい縁を生む。それが、異業種のつながりの価値だ。同業(深さ)と異業種(広さ)、両方を持つ。
「数」より「ゆるく長く」
横のつながりを作るとき、注意したいのが、数を追わないことだ。
名刺交換の数、SNSのつながりの数を増やすことが、目的ではない。大事なのは、ゆるくても、長く続く、質のある関係だ。たくさんの薄いつながりより、本当に困ったときに連絡できる、ゆるく信頼し合える関係を、いくつか持つほうが、価値がある。
つながりは、一度作って終わりではなく、ゆるく保ち続けることで育つ。ときどき近況を交換し、相手の挑戦を応援し、困ったとき助け合う。焦って数を増やすより、ゆるく長く続ける。これは、距離感の設計とも、つながる。
「まず与える」姿勢で関わる
横のつながりを育てる、最も大事な姿勢が、まず与えることだ。
「何かをもらおう」と近づく人より、「何か役に立てないか」と関わる人のところに、良いつながりが集まる。自分の知っていることをシェアする、相手の役に立つ情報を渡す、困っている人に手を貸す。先に与える人は、信頼され、いざというとき助けてもらえる。
つながりは、ギブ&テイクの「テイク」を求める場ではなく、「ギブ」から始まる関係だ。まず与える姿勢が、ネットワークの中で、あなたを信頼される存在にする。これは、Win-Winの関係の原則そのものだ。
「売り込みの場にしない」
横のつながりで、絶対に避けたいのが、売り込みの場にすることだ。
つながりを、自分の商品やサービスを売る相手としか見ない人がいる。だが、つながるたびに売り込まれると、相手は離れていく。横のつながりは、売り込みの場ではなく、互いに支え合い、刺激し合う関係だ。
仕事の縁は、売り込みからではなく、信頼関係の中から、自然に生まれる。「この人は信頼できる」「困ったらこの人に頼みたい」と思われることが、結果的に仕事につながる。売り込まず、まず関係を育てる。焦って売り込むと、つながりそのものを壊す。
安定期の一人社長へ
一人社長にとって、横のつながりは、世界を支える。同業のつながりは仕事を回し、異業種のつながりは視野を広げる。両方を持つことで、仕事の面でも、視野の面でも、豊かになる。
数を追わず、ゆるく長く続けることを重視し、まず与える姿勢で関わる。売り込みの場にせず、無理に広げず、合う人と続ける。横のつながりは、孤独な一人社長に、仕事と刺激と、いざというときの支えをもたらす。営業や交流のためだけでなく、自分の世界を風通しよく保つために、緩く広いネットワークを、安定期に育てていきたい。