この記事の結論
拡大期になると、集客の選択肢(SEO、広告、SNS、紹介…)が増える。だが、全部に手を出すと、力が分散する。鍵は、各チャネルの費用対効果を数字で見て、効いているものに集中投資すること。獲得単価と顧客の価値を比べ、効かないチャネルは見直す。ただし、一つに依存しすぎない。感覚ではなく、数字で、集客チャネルを取捨選択する。
この記事は、Lv.5(拡大期)の一人社長に向けて書いています。
集客チャネルが、増える
拡大期になると、集客の手段(チャネル)が増えてくる。検索(SEO)、広告、SNS、紹介、メディア露出、メルマガ。それぞれが、見込み客を連れてくる経路だ。
選択肢が増えるのは良いことだが、ここに罠がある。全部に手を出すと、力が分散する。限られた時間とお金を、あれもこれもと薄く配ると、どれも中途半端になり、成果が出ない。拡大期に必要なのは、「どのチャネルに、お金と時間を割くか」を、見極めて選ぶことだ。これは、全体最適で考える習慣の、集客版でもある。
各チャネルの「費用対効果」を数字で
チャネルを選ぶ判断は、感覚ではなく、数字で行う。各チャネルの費用対効果を見る。
- そのチャネルに、いくら(お金・時間)かけているか
- そこから、どれだけの見込み客・成約が得られているか
- 1件の獲得に、いくらかかっているか(獲得単価)
これを、チャネルごとに把握する。数字で見ると、「なんとなく良さそう」と「実際に効いている」が、まるで違うことがある。感覚で「SNSは大事」と思っていても、数字を見たら、ほとんど成約に結びついていない、ということもある。チャネルの良し悪しは、数字で判断する。これは、マーケティング戦略の「数字で測り改善する」の、実践だ。
「獲得単価」と「顧客の価値」を比べる
各チャネルの費用対効果を判断する物差しが、獲得単価と、顧客の価値の比較だ。
1件の顧客を獲得するのに、そのチャネルでいくらかかるか(獲得単価)。そして、その顧客が、生涯にわたって、いくらの価値を生むか(顧客の価値)。獲得単価が、顧客の価値を大きく下回るなら、そのチャネルは儲かっている。逆なら、赤字だ。
たとえば、広告で1件獲得するのに3万円かかっても、その顧客が長期で30万円の価値を生むなら、十分に合う。この比較で、どのチャネルが、投資に見合うかが見える。獲得単価だけでなく、顧客の価値とセットで判断する。
効くチャネルに「集中投資」
数字で各チャネルを見たら、効いているチャネルに、集中投資する。
費用対効果の高いチャネルに、お金と時間を重点的に配分する。広く薄くではなく、効くものに集中する。拡大期の限られたリソースを、最もリターンの大きいところに注ぐ。これにより、同じ投資で、より大きな成果が出る。「全部やる」より「効くものに集中」のほうが、結果は大きい。これは、部分最適でなく全体最適、引き算で集中するという、強化書の基本姿勢と、同じだ。
効かないチャネルは「見直す・やめる」
集中投資の裏返しが、効かないチャネルを、見直す・やめることだ。
数字を見て、費用対効果の悪いチャネルは、やり方を見直すか、思い切ってやめる。「これまでやってきたから」「なんとなく必要そう」で、効かないチャネルを続けるのは、リソースの無駄だ。やめる判断も、集客戦略の一部だ。効かないものを切ることで、効くものに、より多くを投資できる。これは、やらないことを決める、という意思決定の姿勢でもある。
一つに「依存しすぎない」
集中投資が大事だと言ったが、注意点もある。一つのチャネルに依存しすぎないことだ。
最も効くチャネルに集中するのは正しいが、そのチャネル一本に、すべてを賭けるのは危うい。たとえば、検索流入だけに依存していると、検索の仕様変更で、一気に集客が落ちることがある。広告だけなら、広告費が上がれば、採算が崩れる。主力チャネルに集中しつつ、複数のチャネルを持っておく。これは、取引先を一社に依存しない、リスク分散の考え方と、同じだ。集中と分散の、バランスを取る。
拡大期の一人社長へ
拡大期になると、集客チャネルが増える。だが、全部に手を出すと、力が分散して、どれも中途半端になる。必要なのは、どのチャネルに投資するかを、見極めて選ぶことだ。
各チャネルの費用対効果を数字で見て、獲得単価と顧客の価値を比べる。効いているチャネルに集中投資し、効かないチャネルは見直す。ただし、一つに依存しすぎない。集客チャネルの判断は、感覚や思い込みではなく、数字で行う。効くものに集中し、効かないものを切る。その取捨選択が、拡大期の限られたリソースを、最大の成果に変える。それが、拡大期の一人社長の、集客への投資判断だ。