この記事の結論
帳簿づけは、難しく考えなくていい。会計ソフトを使えば、本質は「取引を記録する」だけだ。毎日つける必要もない。銀行・カードを連携させて入力を減らし、週に一度など頻度を決めてまとめてつける。領収書は撮影して保存する。完璧を目指さず、続く形を作ることが、確定申告を怖くなくする。
この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。
帳簿は「難しそう」で後回しにされる
独立すると、帳簿づけが必要になる。だが、「簿記」「仕訳」「複式簿記」といった言葉を聞くと、難しそうで身構えてしまう。そして、後回しにする。気づけば、確定申告の直前に、一年分のレシートの山と格闘することになる。
これは、独立期によくある光景だ。だが、本来、帳簿づけはそこまで難しくない。特に、会計ソフトを使う今は、簿記の専門知識がなくても、最低限の習慣さえあれば回せる。大事なのは、完璧な知識ではなく、無理なく続けられる形を作ることだ。
本質は「取引を記録する」だけ
会計ソフトを使う場合、帳簿づけの本質は、とてもシンプルだ。「いつ、何に、いくら使ったか(または受け取ったか)を記録する」。これだけだ。
複式簿記の難しい理屈は、ソフトが裏で処理してくれる。あなたがやるのは、取引を一件ずつ、ソフトに入れていくこと。「この支払いは何の経費か」を選んで記録する。これを積み重ねれば、確定申告書まで自動で出来上がる。仕訳のルールを完璧に覚える必要はない。まずは「取引を記録する」と割り切る。
連携で、入力の手間を減らす
帳簿づけを続ける最大のコツは、入力の手間を、できるだけ減らすことだ。そのために、会計ソフトと銀行口座・クレジットカードを連携させる。
連携すれば、口座の入出金やカードの利用が、自動でソフトに取り込まれる。あなたは、取り込まれた取引に「これは何の経費か」を割り当てるだけ。手入力がほぼなくなる。事業用の口座とカードを決めて、それで取引すれば、お金の流れが自動で記録されていく。手間が減れば、続けられる。続けられれば、帳簿は怖くなくなる。
「毎日」じゃなくていい
帳簿づけというと、毎日きっちりつけるイメージがあるかもしれない。だが、一人社長の帳簿は、毎日でなくていい。
毎日やろうとすると、かえって続かない。現実的なのは、「週に一度」「月に二回」など、頻度を決めて、まとめてつけることだ。連携でデータは自動でたまっているので、まとめて確認・分類すればいい。自分の生活リズムに合った頻度を決めて、それを習慣にする。完璧な毎日より、続く週一のほうが、ずっと価値がある。
領収書・レシートは「撮って保存」
連携で記録できない現金払いや、証拠として残すべき領収書は、撮影して保存する習慣をつける。
レシートをもらったら、その場でスマホで撮る。多くの会計ソフトには、撮影した画像を取引と紐づける機能がある。紙のまま溜めると、なくしたり、確定申告前に山になったりする。撮ってデータにしておけば、紛失も防げ、後の処理も楽だ。なお、領収書の保存には法律上のルール(保存期間など)があるので、原本の扱いも確認しておく。小さな習慣だが、これが後の自分を大きく助ける。
分からないことは、後でまとめて
帳簿をつけていると、「この支払いは経費になるのか」「どう分類すればいいか」と、分からない場面が出てくる。そのたびに手が止まると、続かない。
分からない仕訳は、いったん保留にして、後でまとめて調べるか、確認する。完璧にやろうとして止まるより、分かるものをどんどん記録し、不明点は印をつけておいて、後で処理する。それでも分からなければ、確定申告の時期に、まとめて調べたり、必要なら専門家に聞いたりすればいい。一つの不明点で全体を止めない。
独立期の一人社長へ
帳簿づけは、独立期の一人社長が必ず通る道だ。だが、難しく考えて後回しにすると、確定申告前に苦しむことになる。本質は「取引を記録する」だけ。会計ソフトと連携を使えば、簿記の専門知識がなくても回せる。
毎日でなくていい。週に一度、まとめてつける。領収書は撮って保存し、分からないことは後でまとめて調べる。完璧を目指すのではなく、続く形を作る。帳簿は、几帳面さの問題ではなく、習慣の問題だ。無理なく続く仕組みさえ作れば、確定申告は怖くなくなり、自分の事業の数字も、自然と見えるようになる。