この記事の結論
頭の中でタスクを抱えるのは、もう限界だ——独立期にそう感じたら、タスク・プロジェクト管理ツールの出番だ。本質は、「覚えておく」のをやめ、すべてを外部に預けること。頭を「記憶する場所」ではなく「考える場所」に解放する。ツールは1つに絞り、シンプルなものから始める。高機能さより、自分が続けられるかで選ぶ。
この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。
頭の中の管理は、すぐ限界が来る
独立して仕事が増えると、抱えるタスクが一気に増える。複数の案件、それぞれの締め切り、こまごました連絡、請求、雑務。最初は頭の中で覚えていられても、すぐに限界が来る。
そして起きるのが、抜け漏れだ。締め切りを忘れる、連絡を返し忘れる、やったつもりで二度手間になる。これらは、能力の問題ではない。人間の頭は、たくさんのことを覚えておくのに向いていない。覚えておこうとするほど、それが気がかりとして頭に居座り、目の前の仕事への集中を奪う。独立期に、ここを仕組みで解決したい。
「覚えておく」のを、やめる
タスク管理ツールの本質は、複雑な機能ではない。「覚えておく」という行為そのものを、やめることだ。
やるべきことを、すべて頭の外(ツール)に書き出す。書き出してしまえば、頭は「忘れないように」と気を張る必要がなくなる。ツールを見れば、やることが全部わかる。だから安心して、目の前の一つに集中できる。
頭を、情報を「記憶する場所」から、「考える場所」へと解放する。これが、タスク管理がもたらす最大の効果だ。ツールは、あなたの外付けの記憶装置になる。
タスクは「次の具体的な行動」で書く
書き出すとき、コツがある。タスクを「次にやる具体的な行動」の形で書くことだ。
「A社の件」とだけ書くと、後で見たときに「で、何をするんだっけ」と考え直すことになる。そうではなく、「A社に見積もりをメールで送る」のように、見た瞬間に動ける形で書く。具体的な行動になっていれば、迷わず手をつけられる。曖昧なメモは、結局やらずに溜まっていく。
案件ごとの「進捗」を見えるようにする
タスク(個々の行動)に加えて、独立期に持ちたいのが、案件(プロジェクト)単位の視点だ。
複数の案件が同時に動くと、「どの案件が、今どの段階にあるか」が分からなくなる。案件ごとに、やることと進捗をまとめておくと、全体像が見える。どれが遅れているか、次に何をすべきかが、ひと目でわかる。タスクという「点」と、案件という「まとまり」の、両方を見えるようにする。
ツールは「1つに絞る」
ここが、意外と重要な落とし穴だ。タスク管理は、ツールを1つに絞る。
あれもこれもと複数のツールやメモに分散させると、「どこに何を書いたか」が分からなくなり、二重管理になる。結局、どこを見ればいいか分からず、ツールを使うこと自体が負担になる。タスクは、必ずここを見れば全部ある、という1か所に集約する。一元管理こそが、抜け漏れをなくす前提だ。
シンプルなものから始め、育てる
タスク管理ツールは、世の中にたくさんある。多機能なものほど良さそうに見えるが、独立期はシンプルなものから始めるのが正解だ。
高機能なツールは、設定や使いこなしに時間がかかり、肝心のタスク管理が後回しになる。まずは、やることを書き出し、終わったらチェックする、という基本ができるツールで十分。使いながら「こういう機能が欲しい」と感じたら、その時に見直せばいい。最初から完璧を目指さず、続けられるものを選んで、育てていく。
独立期の一人社長へ
独立期は、一人で大量のタスクと案件を抱える時期だ。それを頭の中だけで管理しようとすると、抜け漏れと気がかりで、本来の仕事に集中できなくなる。
やることをすべて書き出し、覚えておくのをやめる。タスクは具体的な行動で書き、案件ごとの進捗を見えるようにし、ツールは1つに絞る。そして、シンプルなものから始める。タスク管理は、几帳面な人のための趣味ではない。一人社長が、限られた集中力を、本当に価値のある仕事に向けるための、土台の仕組みだ。頭を軽くすることが、いい仕事につながる。