この記事の結論
外注を頼むとき、取り決めを曖昧にすると、後でトラブルになる。発注する側として、最初に決めておくべきは、業務範囲・金額・納期・修正の扱い・成果物の権利。そして、これらを口頭でなく、文字で残す。立派な契約書でなくていい。簡単なメッセージでも、要点を文字にすれば、認識のずれを防げる。頼む側として、最初にきちんと決めることが、外注を成功させる。
この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。
外注は「頼む側」の準備で決まる
独立期になると、自分が外注を頼む側に回る場面が出てくる。手が足りない作業を、誰かに頼む。このとき、外注がうまくいくかどうかは、実は頼む側の準備で、かなり決まる。
曖昧に「これ、お願いできますか」と頼んで、条件を決めずに進めると、後で「そんな範囲は聞いていない」「金額が違う」というトラブルになる。逆に、最初に要点を取り決めておけば、お互い気持ちよく、スムーズに進む。外注は、相手任せではなく、頼む側が、最初にきちんと取り決めることが大事だ。これは、業務委託契約を読む側(受ける側)の視点の、裏返しでもある。
ポイント1:業務範囲を具体的に
最初に決めるべきは、「何を、どこまでやってもらうか」だ。
業務範囲が曖昧だと、「ここまでやってくれると思った」「それは範囲外」という食い違いが起きる。お願いする作業の内容、含まれるもの・含まれないものを、具体的にする。「サイトを作って」ではなく「何ページの、どういう内容のサイトを」と。範囲を明確にすることが、お互いの認識をそろえる、最初の一歩だ。
ポイント2:金額・支払い条件
次に、お金の条件を明確にする。いくらで、いつ、どう払うか。
- 金額(作業に対していくらか)
- 支払いのタイミング(納品後か、着手金ありか)
- 支払い方法
お金の話を曖昧にしたまま進めると、後で必ずもめる。最初に、金額と支払い条件を、はっきり取り決める。頼む側として、これを明確にするのは、相手への誠実さでもある。相手も、条件が明確なら、安心して引き受けられる。
ポイント3:納期・修正の扱い
納期と、修正の扱いも、最初に決めておく。
- いつまでに納品してもらうか
- 修正は何回まで含むか、それ以降は追加費用か
特に、修正の扱いは、トラブルになりやすい。「修正は無制限」と相手に思われると、延々と直しを頼むことになり、相手も疲弊する。「修正は◯回まで」と線を引いておく。納期と修正の条件を最初に決めることで、お互いの期待がそろう。これは、自分が受注する側で気にすることと、同じ論点だ。
ポイント4:成果物の権利
作ってもらったものの、**権利(著作権)**を、どう扱うか。これも、決めておきたい。
成果物の著作権が、こちら(発注側)に移るのか、相手に残るのか。契約で定めなければ、著作権は作った側(外注先)に残るのが原則だ。自分が自由に使いたいなら、「著作権は譲渡してもらう」と取り決める。これを曖昧にすると、後で「これは勝手に使えない」となることがある。詳しくは、著作権の基本も参照してほしい。権利の扱いを、最初に明確にしておく。
口頭でなく「文字で残す」
そして、最も大事なこと。これらの取り決めを、口頭でなく、文字で残す。
立派な契約書である必要はない。簡単なメッセージやメールでもいい。「業務範囲は◯◯、金額は◯◯円、納期は◯月◯日、修正は◯回まで、成果物の権利は◯◯」と、要点を文字にして、お互いが確認できる形にする。
口頭の「だいたいこんな感じで」は、後で必ず食い違う。文字で残しておけば、認識のずれを防ぎ、もし行き違いがあっても、最初の取り決めに立ち返れる。これは、相手を縛るためではなく、お互いが気持ちよく仕事をするための土台だ。
独立期の一人社長へ
外注を頼むとき、その成否は、頼む側の準備で、かなり決まる。取り決めを曖昧にすると、後でトラブルになり、明確にすれば、スムーズに進む。
業務範囲・金額・納期・修正の扱い・成果物の権利を、最初に決める。そして、口頭でなく、文字で残す。立派な契約書でなくていい。要点を文字にするだけで、認識のずれは大きく減る。頼む側として、最初にきちんと取り決めることは、相手への誠実さであり、自分を守ることでもある。良い外注関係は、最初の丁寧な取り決めから始まる。それが、独立期に外注を活かす、第一歩だ。