この記事の結論
「稼ぐ」か「好きなことをする」かは、二択ではない。多くの一人社長が、この二択で悩み、どちらかに振り切って苦しむ。だが現実的な答えは、両者の配分にある。生活を支える土台をまず確保しつつ、好きなことに使う時間を意図的に残す。そして、その配分を、時期に応じて調整する。どちらかではなく、自分なりのバランスを設計する。
この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。
「好きを仕事に」の、その後
「好きなことを仕事にしたい」。多くの人が、そう思って独立する。だが、独立してしばらくすると、現実にぶつかる。好きなことだけでは、食べていけない。稼ぐためには、好きでない仕事も受けなければならない。気づけば、稼ぐための仕事に追われ、好きなことをする時間がない。
あるいは逆に、好きなことにこだわりすぎて、収入が立たず、生活が苦しくなる。「稼ぐ」と「好き」。この2つの間で、独立期の一人社長は揺れる。そして、どちらかに振り切って、苦しむことが多い。だが、この悩みには、もっと現実的な答えがある。
「二択」で考えるのをやめる
まず手放したいのが、「稼ぐ」か「好き」かの二択で考えることだ。
「好きを貫いて稼げない」か「稼ぐために好きを諦める」か。この二択で考えると、どちらを選んでも、もう一方を失うことになり、苦しい。だが、現実は、白か黒かではない。多くの一人社長は、その間の、グレーゾーンで折り合いをつけている。
大事なのは、どちらかを選ぶことではなく、両者をどう配分するかだ。稼ぐ仕事と好きな仕事を、どんな割合で組み合わせるか。二択ではなく配分で考えると、視界が開ける。
自分の仕事を「好き/稼げる」で分ける
配分を考えるために、まず自分の仕事を、2つの軸で分けてみる。「好きかどうか」と「稼げるかどうか」だ。
- 好きで、稼げる:理想。これを増やしたい
- 好きだが、稼げない:時間の使い方を考える
- 好きでないが、稼げる:生活を支える土台になる
- 好きでなく、稼げない:やめる候補
自分の仕事を、この4つに分けて見ると、現実が見える。多くの人は、「好きで稼げる」だけで生きていきたいが、現実には「好きでないが稼げる」仕事が、生活を支えていることが多い。それを否定せず、役割として認める。その上で、「好きで稼げる」を増やし、「好きだが稼げない」に使う時間を、どう確保するかを考える。
まず「土台」を確保する
折り合いをつける上で、現実的な順番がある。まず、生活を支える土台を確保することだ。
好きを優先するにしても、食べていけなければ続かない。だから、まず生活が成り立つ収入の土台を作る。それが「好きでないが稼げる」仕事であっても、それは、好きなことを続けるための基盤だ。土台があるからこそ、好きなことに挑戦する余裕が生まれる。土台なしに好きだけを追うと、生活の不安が、好きなことを楽しむ気持ちさえ奪う。
好きなことの時間を「意図的に残す」
土台を確保したら、次は、好きなことに使う時間を、意図的に残すことだ。
稼ぐ仕事に追われると、好きなことは、際限なく後回しになる。「余裕ができたら」では、その時間は永遠に来ない。だから、好きなことに使う時間を、先に確保する。たとえば、収入の柱で生活を支えつつ、一定の時間を、好きだが稼ぎにならない仕事や、将来「好きで稼げる」に育てたい挑戦に充てる。意図的に残さなければ、好きは、稼ぐに飲み込まれる。
配分は「時期に応じて」変える
最後に、この配分は、一度決めたら固定するものではない。時期に応じて変える。
独立したての不安定な時期は、稼ぐの比重を上げて土台を固める。土台が安定してきたら、好きの比重を増やす。あるいは、「好きで稼げる」が育ってきたら、稼ぐためだけの仕事を減らす。人生のステージや事業の状況に応じて、配分を調整する。固定された正解はない。今の自分にとっての、ちょうどいいバランスを、その時々で探り続ける。
独立期の一人社長へ
「稼ぐ」と「好きなことをする」の間で揺れるのは、独立期の一人社長の、ごく自然な悩みだ。だが、これを二択で考えると、どちらを選んでも苦しい。答えは、二択ではなく、配分にある。
自分の仕事を好き/稼げるで分けて見て、まず生活の土台を確保し、好きなことの時間を意図的に残す。そして、その配分を、時期に応じて調整する。好きを貫くことも、稼ぐことも、どちらも大切だ。だからこそ、どちらかを諦めるのではなく、自分なりのバランスを設計する。それが、独立期の一人社長が、長く、納得して続けるための、現実的な折り合いのつけ方だ。