この記事の結論

独立すると、どんなクライアントと付き合うかを、自分で選べる。だが、信頼できる相手か、トラブルになる相手かは、受ける前に見極めたい。鍵は、最初のやり取りの丁寧さ・明確さ、お金の話を曖昧にしないか、過度に急かしたり威圧したりしないかを見ること。そして、違和感があれば、無理に受けない。最初の見極めが、後のトラブルを防ぐ。

この記事は、Lv.2(独立期)の一人社長に向けて書いています。

クライアントは「選べる」

会社員のときは、付き合う相手を選べなかった。だが独立すると、どのクライアントと付き合うかを、自分で選べる。これは、独立の大きな自由の一つだ。

そして、この選択は、重要だ。良いクライアントと付き合えば、仕事は気持ちよく進み、長い関係になる。逆に、トラブルになる相手と付き合えば、消耗し、最悪、代金未回収や信用の毀損につながる。独立期は、まだ仕事が欲しくて、どんな相手でも受けたくなる。だが、相手を見極めずに受けると、痛い目を見る。受ける前に、相手の信頼度を測る目を持ちたい。

「最初のやり取り」に、相手が出る

クライアントの信頼度は、契約前の最初のやり取りに、かなり表れる。

  • 連絡が、丁寧か。レスポンスは適切か
  • 依頼内容を、明確に伝えてくれるか
  • 質問に、きちんと答えてくれるか

最初のやり取りが丁寧で明確な相手は、仕事でも、たいてい誠実だ。逆に、最初から連絡が雑、内容が曖昧、質問にまともに答えない相手は、仕事が始まってからも、同じように雑な可能性が高い。契約前のコミュニケーションは、その相手と仕事をするときの、予告編だと考える。最初の印象を、軽視しない。

「お金の話」を曖昧にしないか

トラブルになりやすいクライアントの、典型的なサインが、お金の話を曖昧にすることだ。

報酬、支払い条件、追加費用。これらを、明確にしようとせず、「だいたいで」「おいおい決めましょう」と曖昧にする相手は、注意が要る。お金の話を曖昧にしたまま進めると、後で「そんな金額は聞いていない」「これは追加料金?」というトラブルになる。

逆に、お金の話を、最初からきちんとしてくれる相手は、信頼できる。金額や条件を明確にすることを、嫌がらない。お金の話への態度に、相手の誠実さが表れる。これは、契約書で条件を明確にすることとも、つながる。

「安くやって」が前提の相手に注意

最初から、値切りや「安くやって」が前提の相手にも、注意が要る。価値を理解せず、安さだけを求める相手は、仕事を尊重せず、要求も多くなりがちだ。

もちろん、予算の相談は、まっとうなこともある。だが、こちらの仕事の価値を認めようとせず、ただ安く買い叩こうとする相手は、付き合っても消耗する。「安くやってくれる人」を探している相手と、「価値を理解してくれる相手」は、違う。後者と付き合いたい。これは、価格設定の考え方とも、つながる。

「急かす・威圧する」相手を警戒

判断を急かす、威圧的な態度を取る相手にも、警戒する。「今すぐ決めて」「他にもやりたい人はいる」と急かす、高圧的に条件を押し付ける。こうした相手は、関係が始まってからも、無理を押し付けてくる可能性が高い。

良い相手は、こちらに考える余裕を与え、対等に話そうとする。急かしや威圧は、相手があなたを尊重していないサインだ。急かされたときほど、一度立ち止まる。これは、急かす相手への警戒という、人を見極める基本とも、つながる。

「違和感」があれば、無理に受けない

最後に、最も大事なこと。相手に違和感を感じたら、無理に受けないことだ。

条件は悪くないのに、なんとなく引っかかる。やり取りに、誠実さを感じない。こうした違和感は、無視しないほうがいい。独立期は、仕事が欲しくて、違和感を押し殺して受けたくなる。だが、違和感のある相手と組んで、後で「やっぱり」となることは多い。

仕事を選べることは、独立の自由だ。その自由を、自分を守るために使う。違和感のある相手を断る勇気も、独立期に必要だ。これは、直感を無視しないという見極めの基本とも、通じる。

独立期の一人社長へ

独立すると、付き合うクライアントを、自分で選べる。良い相手を選べば仕事は気持ちよく進み、トラブルになる相手を避ければ、消耗を防げる。だから、受ける前に、相手の信頼度を見極める。

最初のやり取りの丁寧さ・明確さを見て、お金の話を曖昧にしないか確認し、安さだけを求める相手や、急かし・威圧する相手に注意する。そして、違和感があれば、無理に受けない。独立期は仕事が欲しい時期だが、相手を選ぶ目を持つことが、後のトラブルを防ぎ、良い関係を築く。クライアントを見極める力は、独立期の一人社長が、自分を守りながら良い仕事を続けるための、大切な武器だ。